ドメインの階層構造

ドメインの階層構造とは?インターネットの「住所体系」を読み解く

ウェブサイトのアドレスとしてお馴染みの「ドメイン名」。一見すると一つの長い文字列に見えますが、実はそこには明確なルールに基づいた階層構造(ツリー構造)が存在します。

これまでの記事でドメイン名を「住所」に例えてきましたが、この階層構造は、いわば「国、都道府県、市区町村、番地」といった、世界共通の「住所体系」そのものです。

この階層構造を理解することは、単に技術的な知識を得るだけでなく、ご自身のウェブサイトに最適なドメイン名を選び、効果的に活用するための第一歩となります。この記事では、ドメイン名の階層構造を一つひとつ分解し、その仕組みと意味を分かりやすく解説していきます。

ドメイン階層構造の基本ルール

ドメイン名は、「.」(ドット)を区切り文字として、複数の部分(ラベル)に分けられています。そして、その構造は右側から左側へと、より大きな枠組みから具体的なものへと階層的に定義されています。

例えば、shop.example.co.jp というドメイン名を見てみましょう。

ルートドメイン(見えない頂点)
        │
     jp(トップレベルドメイン)
        │
     co(セカンドレベルドメイン)
        │
 example(サードレベルドメイン)
        │
  shop(サブドメイン / ホスト名)

このように、右から左へと辿ることで、大きな分類から個別のサーバーへと絞り込まれていくイメージです。この階層構造があるからこそ、DNS(ドメイン・ネーム・システム)は全世界の膨大な数のウェブサイトの中から、目的の場所を効率的に見つけ出すことができるのです。

階層の各要素を徹底解説

それでは、ドメイン名を構成する各階層の役割を、右側から順に詳しく見ていきましょう。

1. ルートドメイン

すべてのドメイン階層の頂点に存在するのがルートドメインです。これは通常、URLの末尾に存在する「.」(ドット)で表現されますが、ブラウザなどでは省略されるため、私たちが普段目にすることはありません。

しかし、すべてのドメイン名はこの「ルート」から枝分かれしており、DNSが名前解決を行う際の出発点となっています。

2. トップレベルドメイン(TLD)

トップレベルドメイン(TLD)は、ドメイン名の最も右側に位置する部分で、ドメインの最も大きな分類を示します。「.com」や「.jp」などがこれにあたります。TLDは、大きく分けて以下の2種類に分類されます。

gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン)

「.com」(商用)、「.net」(ネットワーク)、「.org」(非営利組織)など、特定の分野や用途ごとに分類されたドメインです。現在ではこの分類に厳密な制限はなく、個人・法人を問わず広く利用されています。近年では「.shop」「.blog」「.tokyo」など、新gTLDも増加中です。

ccTLD(国コードトップレベルドメイン)

「.jp」(日本)、「.us」(アメリカ)、「.uk」(イギリス)など、特定の国や地域に割り当てられたドメインです。その国に住所があることなどが取得の条件となる場合もあり、サイトの地域性や信頼性を示すのに役立ちます。

3. セカンドレベルドメイン(SLD)

セカンドレベルドメイン(SLD)は、TLDの左隣に位置する部分で、ドメイン名の「顔」となる部分です。その役割はTLDの種類によって異なります。

gTLDの場合

example.comexample の部分がSLDにあたります。企業名、ブランド名、サービス名など、ユニークな名前を登録者が自由に決められます。

ccTLD(.jp)の場合

「汎用JPドメイン名」では、example.jp のようにSLDを自由に決められます。

「属性型JPドメイン名」では、組織種別に応じたSLDがあらかじめ定められており、例えば co.jp(株式会社など)や ac.jp(大学など)があります。ここで co の部分がSLDです。

4. サードレベルドメイン(3LD)とサブドメイン

SLDのさらに左側が、サードレベルドメイン(3LD)です。これもドメインの種類によって意味が変わります。

属性型JPドメイン名の場合

example.co.jpexample の部分が3LDです。登録者が自由に決められるユニークな名前です。

gTLDや汎用JPドメイン名の場合

blog.example.comshop.example.jpblogshop がサブドメインにあたります。目的別にサイトを分割するために用いられます。

例:

  • www.example.com(メインサイト)
  • blog.example.com(ブログ)
  • shop.example.com(オンラインショップ)

www も慣習的に使われているサブドメインの一種です。

まとめ

今回は、ドメイン名の階層構造について、その仕組みと各要素の役割を解説しました。最後に要点を振り返ります。

  • ドメイン名は「.」で区切られた階層構造になっており、右から左へ具体性が増す。
  • 階層はルート → TLD → SLD → サブドメインで構成されている。
  • この「住所体系」により、インターネット上の情報は整然と管理されている。
  • ドメイン階層を理解すれば、戦略的なドメイン名の選定・管理が可能になる。

ドメイン名は、あなたのビジネスやブランドの「住所」を示す重要な資産です。edomain.jpは、この複雑なドメインの仕組みを熟知した専門家として、最適なドメインの選定から管理・運用まで、信頼性の高いサービスを提供しています。

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