IPアドレスとは

IPアドレスとは?インターネットの「住所」を徹底解説

ウェブサイトを閲覧したり、メールを送受信したりするとき、私たちは「example.com」のようなドメイン名を使います。しかし、インターネットの世界で実際に通信相手を特定しているのは、ドメイン名ではなく「IPアドレス」と呼ばれる一連の数字です。ドメイン名がお店の「看板」だとすれば、IPアドレスはそのお店が建っている「住所」そのものにあたります。

この記事では、ドメインを理解する上で欠かせない、このIPアドレスの基本的な役割から、その種類やドメイン名との重要な関係性までを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

IPアドレスの基本的な役割

IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、インターネットに接続されたパソコン、スマートフォン、サーバーといった、一つひとつの機器に割り当てられる固有の識別番号です。この番号があるおかげで、広大なインターネット網の中から、目的の相手を正確に見つけ出してデータを届けることができます。

人間が「edomain.jp」という名前で場所を覚えるのに対し、コンピュータ同士はこの「192.0.2.1」のような数字の羅列であるIPアドレスを頼りに通信を行っています。IPアドレスは、まさにインターネット通信の土台となる、極めて重要な仕組みなのです。

IPアドレスの主な種類

IPアドレスは、その役割や形式によっていくつかの種類に分類されます。ここでは主要な3つの分類について見ていきましょう。

IPv4とIPv6:住所形式の世代交代

現在、IPアドレスには主に2つのバージョンが存在します。

IPv4 (Internet Protocol version 4)
「192.0.2.1」のように、ピリオドで区切られた4つの数字で表現される、古くから使われている形式です。約43億個のアドレスを割り当てることができますが、インターネットの爆発的な普及により、このアドレス数が枯渇するという問題に直面しています。

IPv6 (Internet Protocol version 6)
IPv4の枯渇問題を解決するために登場した新しい形式です。「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のように非常に長い文字列で表現され、その数は事実上、無限に近いと言われています。現在はIPv4からIPv6への移行が徐々に進められています。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

IPアドレスは、利用されるネットワークの範囲によっても区別されます。

グローバルIPアドレス
インターネット上で直接通信するために使われる、世界で一つしかない固有のアドレスです。プロバイダから割り当てられ、ウェブサイトのサーバーなどがこのアドレスを持っています。まさに「公的な住所」です。

プライベートIPアドレス
家庭や会社などの内部ネットワーク(LAN)でのみ使用されるアドレスです。このアドレスはLANの中では重複しませんが、他の家のLANにある機器と同じ番号が使われていることがあります。ビルの「部屋番号」のようなもので、外の世界から直接このアドレスを指定することはできません。

固定IPアドレスと動的IPアドレス

IPアドレスの割り当て方法にも2つの方式があります。

固定IPアドレス(Static IP Address)
常に同じIPアドレスが割り当てられる方式です。ウェブサイトやメールサーバーのように、住所が変わってしまうと誰もアクセスできなくなってしまう機器に使われます。

動的IPアドレス(Dynamic IP Address)
インターネットに接続するたびに、プロバイダが持つIPアドレスの中から空いているものが一時的に割り当てられる方式です。一般家庭のインターネット接続では、こちらの方式が広く使われています。

IPアドレスとドメイン名の関係

では、人間が使う「ドメイン名」と、コンピュータが使う「IPアドレス」は、どのように連携しているのでしょうか。この二つの橋渡し役を担っているのが「DNS(ドメイン・ネーム・システム)」です。

DNSは、ドメイン名とIPアドレスの対応表が記録された巨大なデータベースで、「インターネット上の電話帳」に例えられます。私たちがブラウザに「edomain.jp」と入力すると、DNSがこの電話帳を引いて、対応するIPアドレス「192.0.2.1」を探し出し、コンピュータに教えてくれます。そのおかげで、私たちは難解な数字を覚えることなく、快適にインターネットを利用できるのです。

まとめ

この記事では、IPアドレスの基本について解説しました。

  • IPアドレスは、インターネット上の機器に割り当てられる「住所番号」である。
  • IPv4とIPv6という新旧のバージョンがあり、現在はIPv6への移行が進んでいる。
  • 利用範囲や割り当て方法によって、グローバル/プライベート、固定/動的といった種類に分けられる。
  • 普段私たちが使うドメイン名は、DNSによってIPアドレスに変換されて初めて通信が可能になる。

IPアドレスは、普段は意識することの少ない存在ですが、ドメイン名とウェブサイトの仕組みを理解する上で、その基礎となる非常に重要な知識です。この関係性を知ることで、ドメインへの理解がより一層深まることでしょう。

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